<糸の太さ(糸径)に関する疑問解決シリーズ>
普段使っている釣り糸の太さの表示について、疑問に思うことはありませんか?
一般的には号数表示ですが、ルアー用はポンド、フライ用はX表示など、釣りの分野によって表示方法が違います。
釣りが初めてなら、とてもわかりにくいですよね。
さらに、ナイロンやPE、鮎釣り用の金属ラインと素材によって、実は規格が異なることはまだあまり知られていません。
そんな、釣り糸の表示について、シリーズに分けてご説明していきます。
シリーズ第一回は、釣り糸の表示方法の基本的な考え方を整理していきます。
今回は、釣り糸の素材ではなく、釣りの分野による表示方法の違いを取り上げます。
【一般的な表示: 号数】
これは、直径の太さを測定し、規格にあてはめたサイズを号数として表示しています。
最も一般的な号数表示ですが、これは日本独自の規格です。
日本釣用品工業会のホームページで確認できます。
ご覧いただいているのは、ナイロン・フロロカーボン・ポリエステルの3種類の素材共通の規格です。
表の見方は、号数の横にある直径の数字は、その号数の下限を表示しています。
例えば、1号の場合、0.165mm以上0.185mm未満の時、1号と表示されます。
あくまでも次の号数の太さを超えないこと。
メーカーが変われば、この範囲内で太さの違いがあるのはもちろんのこと、同じ製品内でもロットによるバラつきは発生します。
【主にルアー用ライン表示: LB ポンド】
糸の太さではなく、糸の強力をkgやポンドとして表示しています。
糸径は全く関係ありません。このため、同じポンド数であっても、糸径に差があることを知っておきたいですね。
強度の表示は平均であったり、最大であったり、まちまちです。
特にIGFAやJGFAの記録狙いで使用する場合には、表示より実際の強力が強いと、申請したポンド数では認められません。
ご使用になる糸を実際に測定し、何ポンドで切れる糸なのかを確認しておく方が安心です。
一般的に販売されている糸は、IGFAやJGFA規格と表示されていない限り、表示よりも強い糸であることがほとんどなので、特に注意が必要です。
【フライ: X表示】
フライ用のリーダーやティペットは、海外から輸入された商品が主流であったことから、海外での規格に準じて表示しています。
Xは、インチによる糸の太さを規格にあてはめて表示しています。
ちなみに長さはMではなく、ft(フィート)を使うことが多く、日本人にはあまり馴染みがないかもしれません。
アメリカで決められた規格で、0Xの標準直径を0.011インチとし、Xの数字が増えるごとに0.001インチずつ直径が細くなるというものです。ちなみに0Xより太くなると、-1Xや01Xと表示されます。
(フライティペットの規格)
0X 0.011インチ (参考号数:3号)
1X 0.010インチ (参考号数:2.5号)
2X 0.009インチ (参考号数:2号)
3X 0.008インチ (参考号数:1.5号)
4X 0.007インチ (参考号数:1.2号)
5X 0.006インチ (参考号数:0.8号)
6X 0.005インチ (参考号数:0.6号)
7X 0.004インチ (参考号数:0.4号)
といった具合です。
号数表示では、数字が大きくなれば太くなりますが、X表示は数字が大きくなると細くなる点が、慣れないとわかりにくいかもしれません。
昔から日本にある釣りは号数表示、海外から入ってきた釣りは、ポンドやXといった表示となっていて、それぞれの釣りの歴史が糸のサイズ表示にも反映されていることがわかりますね。
今回はここまでです。
次回第2回以降は、素材の種類別に見ていきます。
次回第2回は、ナイロン・フロロカーボン・ポリエステルについて、第3回は、PEライン、第4回は、鮎釣り用の金属糸・複合メタル糸について解説致します。