<糸の太さ(糸径)に関する疑問解決シリーズ 第2回>
糸の太さ(糸径)に関する疑問解決シリーズ第2回は、ナイロン・フロロカーボン・ポリエステルについてです。
日本釣用品工業会で定められている「ナイロン糸・フロロカーボン糸・ポリエステル糸の標準直径」(日本釣用品工業会のホームページで確認できます。)
が、糸径の規格としては最も古く、当初はナイロン糸だけの規格でした。
その後、ナイロン糸しかなかった時代を経て、フロロカーボンや一般に「エステル」と言われているポリエステルが後から加わりました。
当初はフロロカーボン糸とナイロン糸とでは糸径が異なることもあり、混乱を避けるため、最終的にナイロン糸の標準直径に合わせる形となっています。
なぜ3種類の素材が統一されているか、これは糸の構造によるものです。
ナイロン、フロロカーボン、エステルは、糸が真円に近く、いわゆる「単線」「モノフィラメント」と言われています。
PEラインや鮎釣り用の複合メタルのように、複数の繊維から構成されていないことから、糸の太さの測定は容易で、測り方もシンプルです。
写真の様に、糸を挟み、太さを測定します。真円に近い形状のためバラつきが少ないのが特徴です。
規格表の見方については、前回のコラムで説明しましので、ご確認下さい。
それでは、糸の強度については決まりがあるのでしょうか。
日本釣用品工業会では、ライン強度の測定基準のガイドラインがあります。
<ライン強度の測定基準>
●測定する際の長さ及び速度:250mm × 速度300mm/min とする。
これは、25cmの長さに設定した糸を、30cm /1分のスピードで測定し、糸が切れた時の強力がその糸の引張強力と呼ばれるものです。
実際には、写真のような測定機を使いますが、上下につままれている間の長さが25cmです。
●ラインの強力表示方法
ポンド(kg)表記とし、号数、最大値、糸径の表記に関しては、各企業の裁量に委ねる。
とされています。
※1ポンド(LB)=0.4536kg
※LB表示は、5本以上の測定値の平均値とする。
※ただし、JGFA規格のものは、この限りではない。
従って、計測回数は5回以上行い、その平均値を表示するということになります。
商品に、MAX・最大といった表示があれば別ですが、特に表示がなければ、以上のような方法により測定された数値が商品に表示されています。
糸の強度の測り方は、測定する長さが長ければ長い程強く、スピードが遅い程強く測定されます。このため、測定条件を統一することはとても重要です。
実際、自分で測定した強度と表示強度が違うと思ったことはありませんか?
そんな時は、各メーカーではこのような基準に沿って測定された強力を表示しているということを思い出してみて下さい。
今回はここまでです。
シリーズ第3回は、PEライン、第4回は、鮎釣り用の金属糸・複合メタル糸について解説致します。