釣 行 日 : 令和3年10月24日(日) 晴れ 北東風 水温:22.8度
釣行場所: 静岡県南伊豆町伊浜 黒島
南伊豆町の伊浜といえば西風に強い磯が少なく、故に渡船屋さんも磯渡しには慎重で過去には幾度となく天気予報によっては後ろ髪を引かれる思いで東伊豆に車を走らせた記憶があります。
しかし底物、上物の魚影が濃く、釣りが出来れば数々のドラマを味わうことが出来た磯ばかりです。
10月24日(日)にその伊浜に約1年ぶりに所属クラブの会員を伴って石鯛を狙いに行きました。
その日は名礁、黒島に渡礁。
午前8時頃から構えた釣り座が潮裏となる上り潮が流れ始めましたが以外にイシガキダイの活発なアタリが竿先を叩きます。
時合いは8時半から9時半までと予想しエサのガンガゼを打ち返してその1時間の間にイシガキダイを2枚釣りあげ、次の時合いは13時半から14時半と思いましたが12時を過ぎたころから待望の下り潮が流れ始め期待に胸が高鳴ります。
下り潮が流れる時は真沖前方に見える沖ミカと呼ばれるハナレ磯に向かって狙うのがセオリーですが以外にも石鯛のアタリも活性がありません。
雲見方向に大きなハエ根がありますがその際の24メートルに仕掛けを落ち着かせると良い感じのアタリが出ますのでそこを集中的に攻める作戦に変更。
そしてまさしく時合いとなるであろう13時半、愛用の和竿が根元まで舞い込み海面に突き刺さりました。
渾身の力で合わせると竿を通じて魚信を体感できますが大型魚の魚信らしきそれではなく一度ポンピングをして竿先を下げた瞬間に物凄い引き込みに襲われ、まるで重戦車と綱引きをするような引きを味わうことになりました。
それからは一向にこちらを向くことなくグイグイっと竿を絞り込み、まさに格闘となり、途中から石鯛ならば7キロを優に超える引きだと思いながらも、いや、この重々しさは違うかもしれない。カンダイか?
いや、過去に釣ったカンダイは最初の一撃には驚かせられるがそれ以降は重いだけで割と簡単に浮いてくる・・・。
巨大なアオブダイか?
いや、違う。しつこくいつまでも引く感じは大型のコロダイやコショウダイか?
10キロを超える真鯛か?
頭の中は???でいっぱいで「誰―?!お前誰―?!」と叫んでしまいます。
少しづつ少しづつリールを巻いてカウンターの数字が5メートルを切っても更にそこから道糸をズルズルと引き出され足元の磯際に沿って走り出す始末です。
ドラグを絞めなおしてひたすら両腕で竿を平行に保ち我慢比べとなり、やっとのことで浮かせた魚は超大型のカンダイでした。
こんな大型カンダイを釣り上げたのは初めてです。
会員にサポートをお願いして磯の上に引き釣り上げることに成功しましたが本命の石鯛ではなかったので嬉しさと残念さが交錯して複雑な心境でした。
が、なかなか味わえない引きを十分に堪能させてくれたこのカンダイに感謝、感謝です。
その後、道糸を確認しましたが瀬ずれワイヤーの上2メートルほどがザラザラに擦れてささくれていました。
AQ石鯛のラインテストの段階から引張強度や根擦れにも強いラインだと強く感じていましたが、AQ石鯛は本当に強いラインだと確信しました。
沼津での検量結果は84.4cm、12.52㎏でした。カンダイの自己記録更新です。
記憶では15分程の攻防を繰り返したでしょうか。
あの引きにひたすら耐え、ドラグ絞めたリールからお構いなしに道糸を引き出されても、磯際でズルズルと擦られ引きずられてもこの強度なら絶対に後手を踏むことはないでしょう。
本当に強い!強いぞ!!!“AQ石鯛!!!
11月に入りもう少し水温が下がってイシガキダイのアタリがおとなしくなれば晩秋の大型石鯛を攻略する時期に入ります。
AQコートを纏ったAQ石鯛は吸水劣化しにくいので釣り時間終盤に大型を掛けても力強い引きにも恐れずに対抗でき、釣り人の主導権を常に維持出来ることでしょう。
この安心感は特筆すべきものがあります。
石鯛はなかなか釣れない魚ではありますが伊豆半島でも日本記録を更新する石鯛が必ず存在していると思います。
そんな石鯛と何時か突然に出会うかもしれません。
その時に備えて準備を万端にし、常にフレッシュなAQ石鯛をリールに巻いて石鯛との更なる出会いに夢を馳せ続けたいと思います。
タックル
竿:石鯛用和竿 リール:D社トーナメント石鯛Z40
道糸:フジノラインAQ石鯛カモフラージュブラウン
仕掛け:誘導式捨て錘仕掛け ハリス:ステンレスワイヤー37番
ハリ:O社手研石鯛17号
エサ:ガンガゼ
REPORT BY 磯インストラクター 藤澤友得